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Blogこんにちは。
アドバイザーの今江です。
先週につづいて床材実験レポートをお届けします。
前回は色々なフローリングのサンプルで傷やシミの実験をしました。
その②ではそれらの補修の実験をレポートします。
前回の実験の様子はこちらから
今回は手軽に用意できる物での補修をテーマとし、
家にある物と100円ショップの商品のみで実験をしました。
用意した物
・アイロン(スチーム機能付き)
・ドライヤー
・ティッシュペーパー
・紙やすり
・ラッカースプレー(カラー:クリア)
・メラミンスポンジ
・キズ隠し棒
・ぞうきん
・マスキングテープ
ご自宅の床と相性が良ければとてもリーズナブルに補修が出来そうですね。
では、実験結果に入ります。
~油性ペン~
①無垢(塗装)②挽板 ③シートフローリング ④無垢(無塗装)の4つを
メラミンスポンジ、紙やすりを使って補修しました。
メラミンスポンジは少し水を含ませて線の上を擦ります。
紙やすりは#60#240#400の順にやすり掛けしました。
こちらの結果については結論から話すと、
③シートフローリングが圧倒的に簡単で綺麗に油性ペンを落とすことが出来ました。
【①無垢(塗装)②挽板】
①無垢(塗装)
・メラミンスポンジでの補修は③のシートフローリングに比べインクを消すのに結構な時間と力が要りました。
また、木目の奥まで染みたインクはスポンジが届かず完全に落とすことは出来ませんでした。
・紙やすりはメラミンスポンジと比べて削るのに力は要りませんでしたが、
番手を変えてやすり掛けをするので手間がかかりました。
・紙やすりは力加減を間違えると余分な傷や凹みを作ってしまうのでテクニックが必要です。
②挽板
・①と同じ結果でした。
・私の腕が上がったことで補修による傷が最小限で済み、②の方が綺麗に補修できました。
今回は100円ショップにオイル塗装が無かったので、やすり掛けの後にクリアラッカーを施しました。
スプレーで塗装が表面に留まり木目に浸み込まなかったため、
深くやすり掛けした個所は塗装をしても色が周りと馴染まない結果となりました。
①②の結論
→紙やすりはやすり掛けをすればインク痕を消すことは可能ですが、補修以上に周りに被害を及ぼします。
多少インクは残りますがメラミンスポンジの方が目立たずお勧めです。
※注意※
今回の実験では複層フローリングに‟挽板フローリング”を採用しましたが、
同じく「合板+天然木」の複合フローリングには‟突板フローリング”という種類が存在します。
挽板フローリングが天然木の厚さ2~4ミリに対し、突板フローリングは天然木の暑さが0.2~0.5ミリ程度です。
そのことから、突板フローリングの場合はやすり掛けの補修方法はお勧めしません!
【③シートフローリング】
こちらは綺麗に落ちすぎてペンの痕跡が全く無いので写真は省略します。
シートフローリングの性質上紙やすりでは下の合板が露わになり修復不可能になるため、
メラミンスポンジのみで実験をしました。
・他の床材と比べて強い力を入れなくても10往復程度擦っただけでとても綺麗に落ちました。
【④無垢(無塗装)】
・メラミンスポンジは少し色が薄くなっただけで補修としては全く効果がありませんでした。
水分を含んだことでよく見るとシミになっています。
・紙やすりはこちらの無垢床(無塗装)が一番能力を発揮しました。
③シートフローリングのメラミンスポンジの結果と違い落とすと言うよりは削っているので
やすり掛けした部分が僅かに凹んでいますが気づかない程度で見た目は元通りになりました。
無塗装・淡い色の樹種であったことからやすり掛けの細かな傷も目立たず、
むしろ‟すべすべ”で肌触りが良くなりました。
○おまけ○
無垢(無塗装)でも色の濃い樹種だとやすり痕が目立つのだろうか?と思い、
今回の比較対象には無かった〈無垢/ブラックウォールナット/無塗装〉でも実験してみました。
結果は、やすり掛けしたままの状態では細かな傷に削った粉が詰まり僅かに白っぽく見えます。
固く絞ったぞうきんでしっかり拭くと粉が取れて白っぽさが消えました。
そして実験から3日後には削った本人もどこか分からなくなりました。
~凹み~
前回硬い物で叩いて凹ませた木材を今回はアイロンと雑巾で補修しました。
凹んだ部分に硬く絞った雑巾を載せて、その上からアイロンを5秒ほど当てる
この作業を何度も繰り返して凹みを直します。
凹みが戻りにくい場合は水滴を凹んだ部分に数秒落とし、前述の作業を繰り返します。
上の写真は前回の実験の結果で凹んでいる状態です。
①②④はオークが樹種の中でも硬いことからそもそもあまり凹みませんでした。
そして、①②③④の実験結果は実験前と変化が見られなかった為写真を省略します。
【⑤無垢/レッドパイン/塗装】
左が補修前で右が補修後です。
分かりやすいように斜めの角度からサンプルを撮影しました。
・凹みが戻り、光の反射による凹凸はほぼ無くなりました。
・凹みは無いけれど、凹みの縁が割れているような跡が出来ました。(他のサンプルに比べて塗装がぶ厚いことが割れ目跡の原因と考察します。)
・触った感じも平らになり、凹みの無かった箇所と違いは分かるが気にならない程度。
・補修前の部分は見た目だけでなく、靴下を履いていても凹んでいることが分かります。
今回補修の効果が一番顕れたので、全ての実験の中で一番楽しかったです。笑
【⑥無垢/ブラックウォールナット/塗装】
・触り心地は凹みを全く感じないが、白い跡は消えなかったので見る角度次第では気づきます。
・木材に水分を含ませて繊維を戻すという補修方法の性質上、
アイロンが当たった部分は凹みに限らず繊維が膨らみ‟すべすべ感”が無くなりました。
毛羽立ったり歩いていて気になる程ではありません。
~シミ~
上の写真は前回の実験で出来たシミの様子です。
そして今回の実験の結果は、
①②③は固く絞った雑巾でこすると簡単にシミを取ることが出来ました。
力も全く必要なく、一瞬でシミが消えました。
そして、④無垢(無塗装)の結果は水を垂らした直後はシミが広がって目立っていましたが、
1週間後にはなんとほぼ消えていました!
シミは消えましたが毛羽立ちは無くならなかったのでやすり掛けをすることをお勧めします。
以上が床材実験レポート補修編でした!
今回は身近にあるものをテーマで補修したのでホームセンターで用具を揃えるともっと簡単に修復できる商品があると思います。
6種類の床材としての性質を比較するための実験でしたので、
実際に内装選びの際には価格・ブランド・種類の多さ・デザイン・その他性能など
比較要素は沢山あると思います。
比較材料の一つとして当ブログを参考にしていただければ幸いです!
2週に渡り長文を読んでいただきありがとうございました!