ブログ
Blogこんにちは。住楽の家アドバイザーの小田です。
今日は少し視点を変えて、
「土木事業と住宅設計の融合」というテーマでお話しします。
家づくりというと、間取りやデザイン、性能の話になりがちですが、
私たちがいつも強く感じているのは、
家は建物だけで完結するものではないということです。
むしろ、その家が立つ「土地の扱い方」によって、
暮らしの質が決まってしまうことも、決して少なくありません。
弊社は、長年にわたり土木事業に携わってきました。
だからこそ、建物と同じように、造成・盛土・擁壁といった“見えにくい部分”から、
暮らしを考える家づくりを大切にしています。

その土地が本当に「いい土地」でしょうか。
「海が見える土地がいい」
「広くて、できるだけ安いところはありませんか?」
土地探しのご相談で、私たちがよく耳にする言葉です。
けれど現実は、
- 高低差がきつい
- 雑草や木が生い茂っていて、全体像が見えない
- 堤防やガードレールが視界に入る
- そもそも、そこでの暮らしが想像できない
そんな“モヤっとした不安”を感じる方がとても多いのです。
図面や数字だけでは分からない。
造成前の土地は、もっとも暮らしのイメージがしにくい状態とも言えます。
暮らしの質を上げるための造成
私たちが大切にしているのは、とてもシンプルな考え方です。
造成は、土地を整える作業だけではなく、暮らしをデザインする工程。
土木と住宅設計を分けて考えてしまうと、
「とりあえず造成してから、家を考える」
「建物が決まってから、外構はあとで」
という流れになりがちです。
けれど、それでは土地のポテンシャルを活かしきれないことが少なくありません。
住楽の家では、最初から「この土地でどんな時間を過ごしたいのか」を考えます。
そして、その暮らしを叶えるために必要な造成を逆算していく。
それが、私たちの家づくりの考え方です。
case① 盛土1.9mがつくった“海と暮らす”という日常
お一人で生活されている40代の方から、
「海を見ながら暮らしたい」というご相談をいただいたことがあります。
敷地は海にほど近い場所。
もともとは資材置き場として使われていた土地でした。
そのまま建てると、視界に入るのは堤防やガードレール。
「海は見えるけれど、海と暮らしている感じがしない」
そんな住まいになりそうでした。
そこで選んだのが、約1.9mの盛土という方法です。
建物を高くするのではなく、地面そのものを持ち上げる。
このわずかな差が、視線の高さを変え余計な人工物を消してくれました。
「堤防もガードレールも見えなくなって、海と繋がった感じがします」
そんなお声を、いただいています。
お金をかける場所、かけない場所を見極めながら、
“海と暮らす”というテーマを造成でそっと支える。
これも、土木と設計を一体で考えているからこそできた選択でした。

case② 伐採と造成で、生まれ変わった約100坪の土地
別の現場では、40代のご夫婦が犬と暮らす家づくりがありました。
敷地は約100坪。
数字だけ見ると魅力的ですが、現地は木や雑草、果樹が生い茂り、足元も見えない状態でした。
「本当にいい土地なのか、正直わからない」
その不安はとても自然だと思います。
造成するまでは、誰でも同じ気持ちになります。
私たちの頭の中では、伐採後の抜けや、庭と家のつながりがすでに見えていました。
ただ、それを言葉だけで伝えるのは難しい。
そこでパースを使い、造成後の風景と暮らし方を一緒に共有しました。
犬が走る庭、窓からの視線、季節の光。
造成が終わった土地を見て、ご夫婦がおっしゃった一言、
「不安でしたが、素敵な土地になりました」
土地は変わっていません。
変わったのは、「どう使うか」という視点だけです。

土木×住宅設計だから見えるもの
住楽の家が大切にしているのは、
- 家と庭を分けて考えないこと
- 建物と土地を、同時に設計すること
- 暮らしの主役を、土地に任せすぎないこと
という姿勢です。
外構や造成を後回しにしないことで、
無駄なコストを抑えながら、暮らしの満足度を高めることができます。
造成は魔法ではありません
もちろん、どんな土地でも良くなるわけではありません。
コストが合わない土地、条件的に難しい土地もあります。
だからこそ大切なのが、最初の段階での見極めです。
「建てられるか」ではなく、
「気持ちよく暮らせるか」を基準に土地を判断しています。
10年後も「この土地でよかった」と思えるために
犬と過ごす庭。
ひとりで海を眺める時間。
夫婦で静かにコーヒーを飲む朝。
それらはすべて、土地の扱い方から生まる暮らしです。
暮らしは、建物の中だけで完結するものではありません。

土地から、一緒に考える家づくり
「この土地、どう思いますか?」
そんな相談からで大丈夫です。
施工事例やモデルハウスでは、
建物だけでなく、土地との関係性も感じていただけると思います。
家づくりの半分は、もしかすると土木かもしれません。
そんな視点で、これからも暮らしをつくっていきます。